歴史文化ライブラリー通巻400冊

『三浦一族の中世』(吉川弘文館)刊行のお知らせ


【紹介されました】 読売新聞 2015.06.08 読書面 短評

http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b194147.html

2015年4月17日発売


桓武平氏とされる、相模国随一の第豪族三浦氏の実像が、今、見直されている。
代々幕府の重鎮を輩出し、宝治合戦でいったん滅ぶも、佐原系三浦氏や三浦和田氏らは中世末まで存続した。
一族の興亡から中世史を見つめ直す。


【目次】
 三浦一族の中世、日本の中世  ―プロローグ
   三浦一族のイメージ/通史と地域史・個別武士団研究のあいだ/慈円の時代観/「家」と「職」の中世/三浦一族の中世

 三浦氏の神話から歴史へ  為継・義継・義明の時代
  院政のはじまりと武士の台頭
   後三条親政から白河院政へ/白河院の寵童・平為俊は三浦氏出身か/東国武士の「家」創造神話と三浦氏の出自/三浦氏と源氏

  荘園公領制と国衙
   大庭御厨の立荘・停廃と三浦義継・義明/三浦義明と相模国衙/三浦氏と三崎荘

  保元の乱と平治の乱
   摂関家の事情/保元の乱と三浦義明/院の近臣と平治の乱

  院政期の文化
   文化の特徴/絵巻物に描かれた三浦氏/三浦一族ゆかりの仏像

 三浦一族の発展と鎌倉幕府  義明・義澄・義盛の時代
  平氏政権
   後白河院と平清盛/清盛の権力掌握過程/治承三年のクーデター/平氏政権下の東国

  内乱のはじまり
   シンボルとしての以仁王/頼朝の挙兵と三浦一族/内乱の推移と三浦一族

  鎌倉幕府の成立過程
   内乱後の朝廷政治/通用しなくなった鎌倉幕府成立時期の旧説/頼朝の権力掌握過程と三浦義澄/幕府成立の重大な画期/頼朝の家政機関としての出発

  東大寺再建事業のシンボリズム
   朝廷の役割/幕府の役割と三浦一族/顕密仏教と西行

 三浦一族と朝幕関係  義村・泰村の時代
  北条氏の台頭と承久の乱
   頼家・実朝の時代/和田合戦と実朝暗殺事件/承久の乱と義村・胤義兄弟

  承久の乱後の情勢と朝廷政治
   戦後処理における義村の役割/藤原道家の時代/三浦氏と朝廷

  幕府政治の展開
   頼朝幕府の終焉/鎌倉幕府のリニューアル/宮騒動と宝治合戦/宝治合戦後の幕府と三浦一族

  鎌倉時代の文化
   和歌と文学/鎌倉仏教と三浦氏/肖像画をめぐって

 全国展開する三浦一族と社会変動  佐原系三浦氏と三浦和田氏の時代
  御家人制と惣領制
   身分制のなかの御家人/御家人の「家」と惣領制

  武士の支配と荘園
   越後国奥山荘と三浦一族/二枚の荘園絵図を読む/紀伊国南部荘と三浦一族

  鎌倉後期の政治と外交
   蒙古襲来/霜月騒動と得宗専制/朝廷の分裂

  鎌倉倒幕から南北朝の内乱へ
   後醍醐天皇の倒幕運動/「三浦和田」氏の成立/内乱のなかの三浦一族

 伝説化される三浦一族 ―エピローグ
   三浦介家の滅亡/三浦義明と玉藻前/朝夷の武勇/三浦一族を称する人々

 あとがき
 参考文献

刊行記念講演会のご案内(吉川弘文館特製文庫本ブックカバープレゼント付き) ※終了しました