高橋秀樹著『中世の家と性』
   (日本史リブレット20、山川出版社)刊行のお知らせ

家は中世社会を理解するためのキーワードです。
しかし、家や家族の問題は現代の私たちにとっても
身近な存在だけに、それぞれの思い込みや、
近世・近代の家族観に影響されたイメージでとらえてしまいがちです。
実は、皆さんの知っている「北条政子」の名前自体も
そうした近世・近代の家族観の産物なのです。
そこで、中世に書かれた文献史料や絵巻物、それらを踏まえた
最近の実証的な研究成果に基づいて、中世人の暮らしを支える
家や性(ジェンダー、セックス)の問題を見ていきましょう。




目次

「北条政子」の誕生

1 氏と家
 氏から家へ/中世における氏と一門/氏の名と家の名

2 結婚と居住
 政子の結婚/結婚の始まりと居住形態/貴族たちの結
 婚/中世後期の居住形態

3 家の継承と相続
 家の象徴―武士の場合―/家の象徴―貴族の場合―/
 家と家業/家の分立と相続制の変化/家継承のジェンダー

4 家内のジェンダー
 貴族の家政機関/藤原忠実の家計/三条西実隆の家計/
 追善仏事のジェンダー/絵巻に見る家内労働

5 さまざまな性
 子どものジェンダー/ボーダーレスな性/婚外性愛と性の主従化


2004年4月25日発行  定価¥840